こんにちは。株式会社NyamoWorld代表の大村です。
プライオリティパスの改悪が相次いでいます。空港の飲食店やスパが使えなくなった、ラウンジの利用が年間何回までに制限された…
そうした変更が複数のカードで重なり、自分のカードがどこまで改悪されたのか整理できていない、あるいはもうしばらくすればさらに削られるのではないかと不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事は、プライオリティパスの特典がいつの間にか変わっていて現状を把握したい方、あるいは改悪の少ないカードへの乗り換えを検討している方に向けて書いています。
まず、主要カードのプライオリティパスの現状を整理すると、以下のようになっています。
| カード名 | 海外レストラン | 国内レストラン | 回数制限 |
|---|---|---|---|
| 楽天プレミアムカード | × | × | 年5回 |
| 三菱UFJカード・プラチナ | × | × | 無制限 |
| JCBプラチナ | ○ | × | 無制限 |
| ダイナースクラブカード | ○ | × | 無制限 |
| 三井住友カード プラチナ | ○ | × | 無制限 |
| セゾンプラチナ・アメックス系 | ○ | ○ | 無制限 |
改悪の波のなか、ラウンジも飲食店もスパも利用回数の制限なく使えるカードはごく限られています。この記事では、改悪の背景と各カードの現状、そして現時点でフル仕様を維持しているセゾンプラチナ系カードの特典内容・デメリット・注意点まで、判断に必要な情報をひとつずつ整理しています。乗り換えを検討されている方の判断の軸として、活用いただければ幸いです。
プライオリティパスの改悪で何が変わったのか
2024年から2025年にかけて、主要なクレジットカードのプライオリティパス特典に相次いで制限が加わりました。変更の方向性は大きく2つあり、「使える施設の範囲が狭まった」ものと「年間の利用回数に上限が設けられた」ものです。
空港ラウンジ自体は引き続き使えるカードがほとんどですが、飲食店やスパといったラウンジ以外の施設については、多くのカードで制限が入っています。
ラウンジ以外の施設(飲食店・スパ)が使えなくなったカードが相次ぐ
空港内の飲食店でランチを済ませていたのに、急に使えなくなったという経験をされた方もいるのではないでしょうか。
三菱UFJカード・プラチナ、JCBプラチナ、三井住友カード プラチナ、ダイナースクラブカードなど、名の通ったプラチナカードが2024年後半から2025年前半にかけて相次いで、国内のレストラン・リフレッシュ施設を対象外にしました。
国内外を問わず飲食店・スパを除外したのは三菱UFJカード・プラチナと楽天プレミアムカードで、海外でも飲食店を使いたいという方には特に影響が大きかったと言えます。JCBプラチナ・ダイナースクラブ・三井住友カード プラチナは海外のレストランは引き続き利用できるものの、国内では空港ラウンジだけに絞られた形になっています。
年間の利用回数に上限が設けられたカードも続出
施設の制限とは別に、利用回数の上限を設けた動きも出ています。なかでも影響が大きかったのが楽天プレミアムカードで、2025年1月から国内外のラウンジ利用が年間5回までに制限されました。かつては年会費11,000円でプレステージ相当が使い放題として知られていましたが、この改悪でその優位性は失われています。
出張や旅行の頻度が高い方は、年5回という上限に早々に達してしまうのではないでしょうか。月1回程度の出張があれば、上半期が終わる前に枠を使い切る計算になります。回数を気にしながら使うラウンジは、本来の快適さとはかけ離れた体験になりやすいものです。
改悪が続く背景:カード会社のコスト負担の増大
なぜ今この時期に改悪が重なっているのか。背景には、プライオリティパスの運営元であるコリンソングループが2023年ごろに日本国内の飲食店・スパ等を提携施設に大量追加したことがあります。
それまで空港ラウンジが中心だったプライオリティパスに身近なレストランやマッサージ店が加わったことで利用者が急増し、同一日に複数施設をまわる施設ホッピングも広まりました。
カード会社がコリンソングループに支払う手数料が想定を大幅に超えるようになり、各社は特典の縮小を余儀なくされた形です。コスト構造そのものが変わったため、今後もさらなる改悪がゼロになるとは考えにくい状況と言えます。
主要カードのプライオリティパス改悪内容まとめ
主要カードの改悪内容を整理しました。
| カード名 | 年会費 | 改悪実施時期 | 海外レストラン | 国内レストラン | 回数制限 |
|---|---|---|---|---|---|
| 楽天プレミアムカード | 11,000円 | 2025年1月 | × | × | 年5回 |
| 三菱UFJカード・プラチナ | 22,000円 | 2024年10月 | × | × | 無制限 |
| JCBプラチナ | 27,500円 | 2024年10月 | ○ | × | 無制限 |
| ダイナースクラブカード | 24,200円※ | 2025年4月 | ○ | × | 無制限 |
| 三井住友カード プラチナ | 55,000円 | 2025年4月 | ○ | × | 無制限 |
どのカードも「ラウンジは引き続き使える」一方で、ラウンジ以外の施設には何らかの制限が加わっています。楽天プレミアムカードはさらに踏み込んで、施設制限に加えてラウンジ自体の利用回数も絞られました。改悪の深さには差があるものの、方向性はすべて同じと言えます。
セゾンプラチナ・アメックスならプライオリティパスのフル仕様が今も使える
上記の改悪の波に乗らず、ラウンジも飲食店もスパも利用回数の制限なく使えるカードが存在します。セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス®・カードとセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カードです。
まだそんなカードがあるのかと思われる方もいるかもしれませんが、2026年3月時点でこの仕様を維持しています。
ラウンジも飲食店もスパも、利用回数の制限なし
セゾンプラチナ系は、プライオリティパスのプレステージプランが対象とする施設をすべて、回数の制限なく利用できます。国内の空港ラウンジはもちろん、プライオリティパスが提携する飲食店・スパ(リフレッシュ施設)も対象です。
ただし、国内の飲食店・スパについては2025年8月のプライオリティパス本体の制度変更により、出発3時間以内の搭乗券の提示が必要になりました。
これはカード会社の判断ではなくコリンソングループ全体の変更であり、セゾン限定の制限ではありません。施設の対象範囲と利用回数の無制限という本質的な仕様には変更がない点は、他のカードとの大きな違いです。
最上位のプレステージプラン(通常469ドル相当)が年会費無料で付帯
プライオリティパスには3つの会員プランがあり、施設を無制限に利用できるのは最上位の「プレステージ」プランです。通常の年会費は469米ドルで、円安水準では6〜7万円前後になります。
セゾンプラチナはこのプレステージプランを、年会費33,000円のカード特典として無料で付帯しています。
正規料金の約半分の年会費で、プライオリティパスのだけでなくダイニング特典やコンシェルジュサービスまで付いてくるのは圧倒的なコスパですよね。
旅行や出張の頻度が高い方ほど、この特典の実質的な恩恵は大きくなります。セゾンプラチナビジネスの損益分岐点では、年会費に対するコスト対効果を具体的な数字で整理しています。



セゾンプラチナ・アメックスとはどんなカードか
プライオリティパスの維持だけが注目されがちですが、セゾンプラチナ系はそれ以外にも旅行・グルメ面で使い勝手のよい特典が揃っています。
プライオリティパス以外にも旅行・グルメ特典が充実している
代表的なものを挙げる以下のようなものがあります。
- 国内外約240ヵ所の厳選レストランで2名以上のコース利用時に1名分が無料になる招待日和のレストラン特典(通常年会費33,000円相当のサービスが無料付帯)
- 国際線手荷物宅配の往復1個無料(成田・羽田・中部・関西の4空港対応)
- 24時間365日対応のコンシェルジュサービス
旅行保険も手厚く、海外旅行傷害保険は最高1億円(利用付帯)、国内旅行傷害保険は最高5,000万円(自動付帯)です。年会費33,000円のプラチナカードとして、旅行まわりの特典は十分に揃っていると言えます。
個人向けとビジネス向け、何が違うのか
セゾンプラチナ系には個人向けの「セゾンプラチナ・アメックス」とビジネス向けの「セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス」の2種類があります。プライオリティパスの仕様は両者で共通ですが、それ以外の点でいくつか差があります。
| 項目 | セゾンプラチナ(個人) | セゾンプラチナ・ビジネス |
|---|---|---|
| 年会費(初年度) | 33,000円 | 無料 |
| 年会費(2年目〜) | 33,000円 | 33,000円 |
| 国内ポイント | 2倍(1,000円=2P) | 通常(1,000円=1P) |
| 家族特約(旅行保険) | あり | なし |
| 追加カード | ファミリーカード(最大4枚) | 従業員カード(最大9枚) |
| 法人口座引き落とし | 不可 | 可能 |
| プライベートカード無料発行 | — | あり(個人版プラチナ) |
日常の国内利用でポイントを効率よく貯めたい場合は個人版が有利です(国内2倍)。経費管理をカードに集約したい、あるいは法人口座から引き落としたい場合はビジネス版をおすすめします。
またビジネス版を持てば個人版プラチナを無料で発行できるため、2枚合わせて年会費1枚分というコスト構造にできる点もビジネス版の魅力です。
2枚の詳細な違いや選び方については、セゾンプラチナ個人とビジネスの違いを解説した記事で詳しく取り上げています。
セゾンプラチナ系プライオリティパスのデメリット・注意点
フル仕様を維持しているセゾンプラチナ系ですが、プライオリティパスの利用に関していくつか把握しておきたい点があります。事前に知っておけば、旅行当日にとまどうことはないでしょう。
同伴者の利用は1名につき35米ドルの追加料金
自分一人でラウンジを利用する分には費用は一切かかりませんが、同伴者がいる場合は1名につき35米ドルの料金が発生します。
2人での旅行が多い場合は、このコストをあらかじめ計算に入れておくとよいでしょう。同伴者が自分のプライオリティパスを別途持っていれば費用はかかりませんが、そうでない場合に毎回35米ドルを負担すると年間の累計が気になってくる場合もあります。
家族カード・追加カード会員は別途登録できない
プライオリティパスはカード会員1名につき1会員証のみ登録可能で、ファミリーカード(個人版)や従業員用追加カード(ビジネス版)の会員は登録できません。
家族や従業員に同様の特典を付与することは、この仕組みの中ではできないという点に注意が必要です。
家族にもプライオリティパスを使わせたい場合は、それぞれが対象カードを申し込むことが前提になります。同伴者として一緒に入ることはできますが、その場合は35米ドルの追加料金がかかります(前述のとおりです)。
国内の飲食店・スパは出発3時間以内の搭乗券が必要
2025年8月から、プライオリティパス全体の制度変更として、国内の提携飲食店・リフレッシュ施設を利用する際は出発時刻の3時間以内の搭乗券提示が必要になりました。到着後の利用は原則できません。
また、同一施設への再入店は入店から6時間以内は不可とされています。一度ラウンジを出て手続きや買い物を済ませ、時間ができたのでまた入ろうという使い方は難しい点も覚えておくとよいでしょう。
利用前にプライオリティパスのアプリで施設ごとの条件を確認しておくと、当日スムーズに動けますね。
プライオリティパスの改悪に関するFAQ
- 今でもラウンジ以外の施設を制限なく使えるプライオリティパス付きカードはありますか?
-
はい、あります。セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス®・カードとセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カードは、ラウンジも飲食店もスパも利用回数の制限なく利用できます。
- プライオリティパスの改悪はいつ始まりましたか?
-
大きな流れとしては2024年10月の三菱UFJカード・プラチナおよびJCBプラチナから本格化しました。その後2025年1月に楽天プレミアムカード(ラウンジ年5回制限)、2025年4月にダイナースクラブカードと三井住友カード プラチナが続き、国内のレストラン・リフレッシュ施設を除外する流れが業界全体に広がっています。
- セゾンプラチナ・アメックスの年会費はいくらですか?
-
年会費は33,000円(税込)です。ビジネス版は初年度無料、2年目以降33,000円です。
プライオリティパスのプレステージプランを直接契約した場合の通常年会費は469米ドル(円安水準で6〜7万円前後)のため、この特典だけでカード年会費に近い価値があると言えます。
- 家族もセゾンプラチナのプライオリティパスを使えますか?
-
家族カード会員は登録できません。プライオリティパスはカード本会員1名につき1会員証のみの登録です。家族と一緒に施設を利用する場合は同伴者として入ることはできますが、1名につき35米ドルの追加料金がかかります。家族それぞれが使いたい場合は、それぞれ対象カードを申し込む必要があります。
- 国内空港の飲食店を使うときに注意することはありますか?
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2025年8月からのプライオリティパス本体の制度変更により、国内の提携飲食店・リフレッシュ施設を利用する際は出発3時間以内の搭乗券提示が必要です。
これはセゾン限定ではなく全カード共通のルールです。また、同一施設への再入店は入店から6時間以内は不可とされている点も覚えておくと安心です。
まとめ
2024年から2025年にかけて、多くのプラチナカードでプライオリティパスの特典が縮小されました。その背景には、提携施設の急拡大によるカード会社のコスト増大があります。今後も同様の流れが続く可能性は否定できません。
現時点でラウンジ・飲食店・スパを利用回数の制限なく使えるカードとして、セゾンプラチナ・アメックスとセゾンプラチナ・ビジネス・アメックスが挙げられます。プレステージプラン(通常469米ドル相当)が年会費33,000円のカード特典として付帯しており、旅行や出張の頻度が高い方にとってはバランスのよい選択肢と言えます。
一方で、同伴者には1名35米ドルの追加料金がかかる点、家族カード会員への特典付与ができない点は、事前に把握しておくべきデメリットです。
プライオリティパスをどれだけ活用できるかは、結局のところ自分の旅行・出張頻度や同伴者と使うシーンがどのくらいあるかによります。改悪の現状と自分のライフスタイルを照らし合わせながら、今のカードを継続するか乗り換えるかを判断する材料として活用してください。





