個人事業主のクレジットカード払いの勘定科目と仕訳|経費を事業用・プライベートのカードで払ったときの記帳例

個人事業主として初めての確定申告を前にクレジットカードの明細を広げると、消耗品費の相手の勘定科目を未払金にするか事業主借にするかで迷ってしまいます。

三井住友カードの解説ページによると、相手の科目を決めるのはカードの種類ではなく代金が引き落とされる口座です。事業用の口座なら利用日に経費の科目/未払金、引き落とし日に未払金/普通預金と2回書きます。プライベートの口座なら利用日に経費の科目/事業主借と1回書くだけです。

もう1つ見落としやすいのが保存です。国税庁の資料ではカードの利用明細書はインボイスにならないとされ、消費税の課税事業者は店から受け取った適格請求書等も残します。

手元の明細を見ながらそのまま記帳でき、来年からは事業用の口座から引き落とされるカードを1枚決めて仕訳を2つの型だけで済ませられます。その候補になるのがアメックスビジネスゴールドです。

カードと口座の組み合わせ別の早見表から始めて、日付入りの仕訳の例・白色申告と青色申告で変わる記帳・明細と領収書の保存期間・税理士に聞いておくことまで順に見ていきましょう。

アメックスビジネスゴールド

★ 入会キャンペーン 最大170,000ポイント

目次

個人事業主のクレジットカード決済で使う勘定科目

経費の科目は買ったもので決まり、相手の科目は引き落とし口座で決まります。口座と払ったものの組み合わせごとに、書く仕訳を表にしました。

スクロールできます
カードの代金が引き落とされる口座払ったもの利用日の仕訳引き落とし日の仕訳
事業用経費経費の科目/未払金未払金/普通預金
プライベート経費経費の科目/事業主借記帳しない
事業用私用の物事業主貸/未払金(三井住友カード・JCBの解説)未払金/普通預金(弥生の解説は利用日に書かず、この日に事業主貸/普通預金)

仕訳は/の左が借方で右が貸方です。自分のカードと口座の組み合わせの行を探せば、書く仕訳が決まります。

事業用の口座で私用の物を買った行だけは、記帳する日が解説によって分かれます。この行は事業用のカードで私用の支払いをした場合の仕訳でくわしく見ていきます。

引き落とし口座ごとの利用日と引き落とし日の仕訳の早見図

経費の科目は買ったものの中身で決める

カードで払ったからといって、カード払い専用の勘定科目を使うわけではありません。

カード会社や会計ソフト会社の解説ページの仕訳の例を見ても、経費の科目は買ったものに合わせて選ばれています。例に出てくる科目は次のようなものです。

  • 図書費・新聞図書費
  • 消耗品費
  • 会議費
  • 接待交際費
  • 旅費交通費

現金で払っても同じ科目になる支払いは、カードで払っても同じ科目です。カード払いで変わるのは相手の科目だけです。

相手の科目は引き落とされる口座で未払金と事業主借に分かれる

三井住友カードの解説ページは「勘定科目は、カードの種類ではなく、引き落とされる口座がプライベート用か事業用かによって異なる」と書いています。

事業用の口座から引き落とされるカードなら相手の科目は未払金です。

プライベートの口座から引き落とされるカードなら事業主借です。

見るのはカードの名前や券面ではなく引き落とし口座なので、手元のカードの引き落とし口座がどちらかを先に確かめておきましょう。

事業主借・事業主貸・未払金が表すお金の動き

事業主借と事業主貸は、国税庁が記帳のしかたと青色申告決算書の書き方で使い方を示している科目です。

スクロールできます
科目表すお金の動き出典
事業主借家計用のお金を事業に充てたとき。決算書では事業主から受け入れた事業資金などの合計を書く国税庁 記帳のしかた・令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方
事業主貸生活費などの家事上の費用や所得税等・住民税など必要経費にならない租税公課を事業から出したとき令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方
未払金まだ引き落とされていないカードの代金三井住友カード・JCB・弥生・アメックスの解説ページ

プライベートの口座から引き落とされるカードで経費を払うと相手の科目は事業主借です。反対に事業用の口座から引き落とされるカードで私用の物を買うと事業主貸です。

仕訳の型を減らす近道は、引き落とし口座が事業用のカードを1枚持つことです。

事業用の口座から引き落とされるカードで経費を払ったときの仕訳

事業用の口座から引き落とされるカードで経費を払ったら、利用日と引き落とし日の2回に分けて記帳します。アメックスの解説ページの例を日付つきで並べると、次の2行になります。

スクロールできます
日付借方貸方
2026年4月1日(利用日)消耗品費 5,000未払金 5,000
2026年5月25日(引き落とし日)未払金 5,000普通預金 5,000

利用日に立てた未払金を引き落とし日に消す形です。引き落としが済めば、この支払いの未払金は残りません。

事業用の口座から引き落とされるカードは利用日と引き落とし日の2回記帳する図

利用日は経費と未払金で記帳する

カードを使った日は借方に経費の科目を書き、貸方に未払金を書きます。各社の解説ページの例は次の3つです。

解説ページ利用日の仕訳
三井住友カード図書費 2,000/未払金 2,000
弥生消耗品費 1,000/未払金 1,000
アメックス消耗品費 5,000/未払金 5,000(2026年4月1日)

科目と金額は違っても3社とも貸方は未払金です。

引き落とし口座が事業用なら、筆者が法人カードとして使っているセゾンプラチナビジネスアメックスでも貸方は未払金です。セゾンプラチナビジネスアメックスの入会キャンペーン|紹介でAmazonギフト12,000円分・年会費と特典を見ると、このカードの年会費と特典が分かります。

引き落とし日は未払金と普通預金で記帳する

代金が口座から引き落とされた日は未払金/普通預金と書いて、利用日の未払金を消します。何件分もまとめて引き落とされたら合計額で1行にまとめます。

JCBの解説ページの例は、2件の利用を1回の引き落としで消す形です。

スクロールできます
日付借方貸方
1月1日(利用日)消耗品費 100未払金 100
1月20日(利用日)仕入高 5,000未払金 5,000
2月27日(引き落とし日)未払金 5,100普通預金 5,100

通帳の引き落とし額と明細の請求額を見比べておけば、未払金の消し忘れに気づけます。

引き落とし日はカードの締め日で決まります。アメックスの場合は引き落とし口座の金融機関で締め日と支払日の組み合わせが決まり、自分で変えることはできません。

締め日支払日
2・3日当月21日
5・6・7日当月26日
18〜22日翌月10日

販売する商品の仕入れは買掛金で記帳する解説もある

弥生と三井住友カードの解説ページでは、販売する商品の仕入れをカードで払ったときは買掛金を使います。それ以外の購入は未払金です。

一方でJCBの解説ページの例は、仕入高の相手も未払金にしています。

どちらの書き方にするかは税理士の考えや会計ソフトの設定に合わせて決め、毎年同じ科目を使うようにしましょう。

利用日の仕訳を手で打つ回数を減らすには、明細を会計ソフトに取り込めるカードを使う方法があります。

プライベートのカードや口座で経費を払ったときの仕訳

私用のカードで仕事の物を払ったときは、利用日に経費の科目/事業主借を1回書くだけで済みます。引き落とし日は記帳しません。

三井住友カード・JCB・マネーフォワード・弥生・アメックスの5社の解説ページは、どれも利用日の1本の形で例を出しています。引き落とし日の記帳は要らないと明記しているのは三井住友カード・マネーフォワード・弥生の3社です。

プライベートの口座のカードは利用日に事業主借で1回だけ記帳する図

利用日に経費と事業主借で1回だけ記帳する

プライベートの口座から引き落とされるカードで経費を払ったら、借方に経費の科目を書いて貸方に事業主借を書きます。

解説ページ利用日の仕訳
三井住友カード会議費 10,000/事業主借 10,000
JCB消耗品費 100/事業主借 100
弥生会議費 3,000/事業主借 3,000
アメックス接待交際費 10,000/事業主借 10,000
マネーフォワード新聞図書費 3,000・旅費交通費 15,000 など/事業主借

事業用の口座のカードとの違いは貸方だけです。貸方は未払金ではなく事業主借になります。

プライベートの口座からの引き落としは記帳しない

引き落とされた日には何も書きません。代金はプライベートの口座から出ていき、事業のお金は動かないためです。

アメックスの解説ページでは、事業主借は返済の義務がなく確定申告のときに1年分をまとめて元入金に振り替えると説明しています。

プライベートの口座のカードは記帳が1回で済む代わりに、仕事の支払いが私用の支払いと同じ明細に並びます。

私用と事業用が1枚のカードに混ざると明細を1行ずつ分けることになる

1枚のカードで私用と仕事用を払うと明細を1行ずつ分ける作業が続くことを示す図

1枚のカードで私用と仕事用を払っていても記帳はできます。ただ毎月の明細を1行ずつ見て、仕事用の行だけを事業主借で書く作業がずっと続きます。

国税庁の記帳のしかたも「現金や預金、クレジットカードについては、事業用と私用を区別しましょう」と案内しています。

確定申告の前の週末に、明細を1行ずつ私用と仕事用に分けるのは手が止まりますよね。

筆者の体験(会社の経費をビジネス・カードにまとめている)

筆者の会社ではアメックスビジネスプラチナを使い、社員3人に追加カードを渡しています。仕事で使うカフェ代や交通費・書籍などは追加カードで払ってもらうので、立て替えと精算の手間がなくなりました。

筆者の例は法人ですが、仕事の支払いを専用のカードに分ける考え方は個人事業主も同じです。事業用の口座から引き落とされるカードを1枚決めれば、仕訳は2つの型だけになります。

仕事の支払いを1枚にまとめるなら、開業前の個人事業主も申し込めて明細を会計ソフトに連携できるアメックスビジネスゴールドが候補になります。アメックスビジネスゴールドの入会キャンペーン|年会費・特典・グリーンとプラチナとの違いを見ると、年会費と入会キャンペーンのポイントの条件が分かります。

事業用のカードで私用の支払いをしたときの仕訳

事業用のカードでうっかり私用の物を買ったら、私用分は事業主貸で記帳します。三井住友カード・JCB・アメックス・弥生の4社の解説ページで科目はそろっています。記帳する日は利用日と引き落とし日で解説が分かれます。

そもそも事業用のカードでの私用の買い物は避けたい支払いです。三井住友カードの解説ページは、原則として法人カードで個人の買い物をするのは避けるよう書いています。アメックスの解説ページも「税負担が増えてしまう可能性もある」として、できるだけ避けるよう案内しています。

事業用のカードで私用の支払いをしたときの事業主貸の仕訳の図

私用分は事業主貸で記帳する

解説ページ私用分の仕訳
三井住友カード利用日に事業主貸 10,000/未払金 10,000。引き落とし日はほかの経費分と合わせて未払金 12,000/普通預金 12,000
JCB事業主貸 5,000/未払金 5,000
アメックス立替金/未払金の形で説明し、個人事業主は立替金でなく事業主貸を使う
弥生利用日は書かず、引き落とし日に事業主貸 5,000/普通預金 5,000

4社とも私用分の科目は事業主貸です。JCBの解説ページでは、法人なら役員貸付金になる私用分が個人事業主では事業主貸になると説明しています。

記帳する日は解説によって利用日と引き落とし日に分かれる

三井住友カードとJCBの解説ページは、利用日に事業主貸/未払金と書く方法です。

弥生の解説ページは、利用日には書かずに引き落とし日に事業主貸/普通預金と書く方法です。

どちらでも科目は事業主貸で、書く日は解説で分かれます。自分の帳簿でどちらにするかは使っている会計ソフトの設定と税理士の考えに合わせて決め、毎年同じ方法で書きましょう。

所得税をカードで納めたときも事業主貸に入れる

所得税は必要経費になりません。カードで納めても同じです。

国税庁の青色申告決算書の書き方では、所得税等・住民税など事業所得の必要経費にならない租税公課を事業から払った金額を事業主貸に入れると定めています。

アメックスの解説ページでは、所得税は国税クレジットカードお支払サイトでビジネス・カードから納められると案内しています。カードで納めた所得税を利用日と引き落とし日のどちらで書くかは、税理士に確かめておきましょう。

納付の手数料とポイントの損得は法人税・消費税をクレジットカードで払うメリットと手数料|法人カードのポイントの損得で比べています。

私用と事業用の支払いを初めから別のカードに分けておけば、事業主貸の仕訳はほとんど出てきません。私用に使うカードを選び直すならゴールドカードおすすめ7枚を比較|年会費・還元率・空港ラウンジで選ぶ【2026年10月】を見ると、年会費・還元率・空港ラウンジの違いが分かります。

個人事業主の白色申告と青色申告で変わるカード払いの記帳

白色申告は日々の合計をまとめて書く簡易な記帳でも認められています。青色申告で55万円・65万円の控除を受けるなら複式簿記で記帳し、ここまでの仕訳をそのまま使います。

青色申告特別控除65万円・55万円・10万円の要件の図

白色申告は日々の合計をまとめて書く簡易な記帳でもよい

国税庁のタックスアンサーNo.2080では、事業所得のある人は取引の年月日・相手方の名称・金額などを帳簿に書くとしています。そのうえで「一つ一つの取引ごとではなく、日々の合計金額のみをまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよい」としています。

ただし引き落とし日だけ記帳すればよいと書いた資料は、国税庁にもカード会社の解説にもありません。

アメックスの解説ページでは、単式簿記なら利用日・金額・概要の3点を記録するとしています。白色申告でも、カードを使った日ごとの記録は残しておきましょう。

青色申告で55万円・65万円の控除を受けるには複式簿記で記帳する

控除額要件(国税庁 No.2072)
55万円複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付して期限内に申告する
65万円55万円の要件に加えて、優良な電子帳簿の保存かe-Taxでの申告をする
10万円上のどれにも当たらない青色申告者

利用日に経費の科目/未払金、引き落とし日に未払金/普通預金と書く仕訳は複式簿記の形です。カード払いはここまでの仕訳をそのまま帳簿に書けば足ります。

注意したいのは現金主義の所得計算の特例です。前々年分の事業所得と不動産所得の合計が300万円以下の青色申告者が、届出をして選べる制度です。この特例を選んだ人は55万円・65万円の控除を受けられません。

令和9年分から青色申告特別控除の要件が変わる

国税庁のリーフレット(令和8年4月)では、令和9年分以後の青色申告特別控除が次のように変わると案内しています。

  • 前々年分の不動産所得か事業所得の収入金額が1,000万円を超える人は、簡易簿記の10万円控除を使えなくなる
  • 複式簿記で記帳してe-Taxで申告すると65万円
  • さらに優良な電子帳簿の要件を満たすと最大75万円

75万円の控除は令和9年分以後の話で、令和8年分の申告では使えません。切り替えに要る届出や要件は、税理士に相談して早めに準備しておきましょう。

複式簿記の帳簿づけは会計ソフトを使うと手間が減ります。アメックスビジネスゴールドの基本カード会員は、弥生の「やよいの青色申告 オンライン」トータルプランを初年度無料で使えます(初めて申し込む人だけ・自動更新)。

年会費・ポイント・年をまたぐカード払いの記帳

年会費は科目を1つ決めて毎年そろえ、私用でも使うカードは使った割合で分けます。ポイントと年をまたぐ支払いは考え方が分かれるので、自分の場合は税理士に確かめてから決めます。

年会費11,000円を経費の割合50%で分けて5,500円を経費にする計算の図

年会費は支払手数料・諸会費・雑費から1つ決めて毎年そろえる

JCBの解説ページでは、カードの年会費は支払手数料・諸会費・雑費のどれかにして毎年同じ科目を使うとしています。

アメックスビジネスゴールドのカード詳細ページも、年会費は経費にできる場合があると書き、くわしくは税理士などに確認するよう添えています。

アメックスビジネスゴールドの年会費は49,500円(税込)です。年会費に見合う使い方かどうかはアメックスビジネスゴールドは年会費に見合う?向いている事業者タイプと3つの判断基準とはで判断の基準を見ていけます。

プライベートでも使うカードの年会費は使った割合で分ける

私用と兼用のカードの年会費は、業務に必要な部分だけが経費になります。

所得税法45条・施行令96条と国税庁のタックスアンサーNo.2210では、家事と業務の両方にかかわる費用のうち業務に必要な部分を明らかに区分できる場合に、その部分だけを必要経費にできるとしています。

JCBの解説ページの例は次のとおり計算します。

項目金額
カードの年会費(税込)11,000円
年間の利用代金200万円
そのうち経費の利用代金100万円
経費にする年会費(50%)5,500円

JCBの解説ページは、割合を利用代金などの根拠で決めるよう書いています。割合の上限は国税庁の資料に示されていないので、明細などの記録で割合を示せるようにして税理士に確かめておきましょう。

仕事にも私用にも使う1枚を選ぶなら、経費にならない分の年会費も含めて特典と見比べることになります。プラチナカードおすすめ7枚を比較|年会費を回収する特典で選ぶを見ると、年会費を回収できる特典の違いが分かります。

キャッシュバックとポイントは受け取り方で処理が変わる

キャッシュバックの受け取り方ごとの処理の図

キャッシュバックは、アメックスの解説ページで受け取り方ごとに処理が分けられています。

キャッシュバックの受け取り方処理
引き落としのときに適用される全額を経費にして、キャッシュバック分を雑収入にする
その場で値引きされる値引きとして処理する

ポイントについてJCBの解説ページは、付いたときは記帳せず使ったときに記帳するとしています。国税庁の資料にもポイントの処理の説明はありますが、企業が発行するポイントの話でカードのポイントを名指しした説明ではありません。

ポイントの処理は解説で分かれるので、税理士に確かめてから決めましょう。

12月に使って1月に引き落とされる支払いは債務が確定した年で考える

債務が確定する3つの条件と必要経費になる年の図

国税庁のタックスアンサーNo.2210と所得税基本通達37-2では、必要経費になるのはその年の12月31日までに債務が確定したものです。次の3つがそろうと債務が確定します。

  • 債務が成立している
  • その債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生している
  • 金額を合理的に算定できる

支払っていなくても債務が確定していれば、債務が確定した年の必要経費になります。反対に支払っていても債務が確定していなければ、その年の必要経費になりません。

一方で令和7年分の青色申告の決算の手引きには「少額な経費については、未払の整理をしないで、実際に支払った金額だけを必要経費にしても差し支えありません。」とあります。

12月に使って1月に引き落とされるカード払いを名指しした国税庁の説明はありません。年末の利用分をどちらの年に入れるかでその年の所得が変わるので、12月の明細を税理士に見せて決めておくと安心ですよね。

カード払いの利用明細と領収書の保存のしかた

カードの利用明細書は一般的にインボイス(適格請求書)になりません。消費税の課税事業者が仕入税額控除を受けるには、店から受け取った適格請求書等を残します。

保存期間は白色申告と青色申告で分け方が違います。ウェブ明細やメールで受け取った領収書はデータのまま保存します。

利用明細書はインボイスにならないことと白色・青色申告の保存期間の図

カードの利用明細書はインボイスにならない

国税庁の質疑応答事例では、カード会社の請求明細書を保存しても仕入税額控除は受けられないとしています。加盟店から受け取った適格請求書等を保存すれば認められます。

アメックスの明細書で適格請求書になるのは、年会費・各種手数料など金額の横に(*)が付いた行だけです。店での買い物の分についてアメックスは「当社では適格請求書を発行できません」と書いています。店の分は店で受け取ることになります。

これは消費税の課税事業者が仕入税額控除を受けるための話です。自分が課税事業者か免税事業者かは、税理士か税務署で確かめておきましょう。

課税事業者なら年会費が高いカードほど、(*)の付いた年会費の行を残しておく意味は大きくなります。アメックスビジネスプラチナの入会キャンペーン【2026年10月】最大26万ポイントの条件と年会費16.5万円との差し引きを見ると、筆者の会社が使っているアメックスビジネスプラチナの年会費と入会キャンペーンの条件が分かります。

高速道路のETCの利用分は扱いが違います。利用明細書とETC利用照会サービスからダウンロードした利用証明書をあわせて保存すれば、仕入税額控除ができます(国税庁の適格請求書等保存方式に関するQ&A 問103)。

税込1万円未満の少額特例や3万円未満の電車・バス代は帳簿だけで足りる

すべての支払いで店の適格請求書等が要るわけではありません。次の支払いは帳簿の保存だけで仕入税額控除ができます。

特例対象
少額特例基準期間(個人事業者は原則前々年)の課税売上高が1億円以下か、特定期間(原則前年の1月1日〜6月30日)の課税売上高が5,000万円以下の事業者が、令和5年10月1日〜令和11年9月30日に行う税込1万円未満の課税仕入れ
公共交通機関の運賃3万円未満の旅客の運送
そのほか3万円未満の自動販売機での購入・郵便切手を対価とする郵便サービスなど

1万円未満かどうかは1商品ごとではなく、1回の取引の税込金額で判定します。

この特例は消費税の仕入税額控除の話です。所得税の書類としての領収書は、特例に当たる支払いでも白色申告・青色申告それぞれの保存期間のとおり残します。自分が少額特例の対象かは税理士に確かめておくと迷いません。

保存期間は白色申告と青色申告で分け方が違う

スクロールできます
申告7年5年
白色(No.2080)収入金額や必要経費を書いた帳簿ほかの帳簿・決算の棚卸表などの書類・請求書・納品書・送り状・領収書などの書類
青色(No.2070)帳簿書類(原則)請求書・見積書・納品書・送り状など

白色申告では領収書は5年です。青色申告の帳簿書類は原則7年で、5年でよい書類の例に領収書は入っていません。

弥生の解説ページでは、消費税の課税事業者で領収書が適格請求書に当たる場合は白色申告でも7年の保存が要るとしています。自分の場合の年数は税理士に確かめておきましょう。

ウェブ明細やメールで受け取った領収書はデータのまま保存する

国税庁の電子帳簿保存法一問一答(電子取引関係・令和8年7月)の問5では、カードの利用明細データを受け取るのは電子取引にあたるとしています。データのまま保存します。

  • メールなどで受け取った領収書のデータも別に保存が要る
  • 印刷して保存する方法は廃止されている
  • 保存する期間は各税法の保存期間が満了するまで

アメックスの明細は次の範囲でダウンロードできます。

スクロールできます
内容アプリパソコン・スマートフォン
過去分の明細書(PDF)直近24ヶ月分2005年12月以降
ご利用履歴(CSV・Excel・QIF)不可直近24ヶ月分

ご利用履歴のCSVは直近24ヶ月分なので、年に1回はダウンロードしておくと保存の漏れを防げます。検索できるように保存する要件など細かい決まりは税理士に確かめておきましょう。

明細をPDFとCSVで取り出せて年会費の行は明細書が適格請求書になるカードなら、保存の準備がそろえやすくなります。

クレジットカード払いの仕訳を減らす事業用カードの選び方

毎年の仕訳を減らすなら、事業用の口座から引き落とされるカードを1枚決めて仕事の支払いをまとめます。そのうえで明細をダウンロードでき、会計ソフトに連携できるカードを選びます。

事業用の口座から引き落とされるカードを1枚に決める

事業用のカード1枚にまとめると仕訳が2つの型になる図

仕事の支払いをそのカードだけで払えば、私用の行を見分ける作業がなくなります。仕訳は利用日の経費の科目/未払金と、引き落とし日の未払金/普通預金の2つの型で済みます。

明細を開くたびに1行ずつ迷わずに済むなら、月末の記帳はぐっと短くなりそうです。確定申告の前の週末を明細の仕分けに使わず、本業の準備や家族と過ごす時間に回せます。

筆者の体験(経費の支払いを法人カード1枚にまとめている)

筆者はセゾンプラチナビジネスアメックスを法人カードとして使い、経費の支払いでJALマイルを毎月貯めています。貯めたマイルは旅行の航空券に使っています。

支払いを1枚にまとめると、ポイントやマイルも1か所に貯まります。JALマイルのおすすめカード|JALカードとセゾンプラチナビジネスアメックスの使い分けを見ると、JALカードとセゾンプラチナビジネスアメックスの使い分けが分かります。

アメックスでは屋号の無い個人事業主はウェブで引き落とし口座を登録でき、屋号付きの口座は紙の書類で登録します。事業用に分けるメリットや開業前後の選び方は個人事業主におすすめのクレジットカード6枚|開業前・開業直後の選び方と事業用に分けるメリットで比べられます。

明細をダウンロードして会計ソフトに連携できるカードを選ぶ

事業用カードを選ぶときに会計の面で見る3つの点の図

会計の面で見るのは次の3つです。

  • 明細をPDFやCSVでダウンロードできるか(電子取引のデータ保存に使う)
  • 使っている会計ソフトにAPIで連携できるか(利用日の仕訳の取り込みが楽になる)
  • 年会費の明細書が適格請求書になるか

筆者の会社のアメックスビジネスプラチナも、freeeなどの会計ソフトとの連携は問題なく使えています。

会計ソフトでカードの明細を取り込む日付を利用日にするか引き落とし日にするかは、税理士と決めておきましょう。会計ソフトそのものを選ぶなら個人事業主におすすめの会計ソフト3選|経理を自動化する事業用カードも解説が参考になります。

アメックスビジネスゴールドは弥生・freee・マネーツリーに明細を連携できる

アメックスビジネスゴールドの券面

アメックスビジネスゴールドはカードの利用情報を弥生・freee・マネーツリーに連携できます。弥生のAPI連携では最大14か月分の明細を取り込めます。

項目アメックスビジネスゴールド
年会費(税込)49,500円
申し込める人法人・個人事業主(開業前の個人事業主も申し込める)
会計ソフト連携弥生・freee・マネーツリー(API連携)
弥生の特典やよいの青色申告 オンラインのトータルプランが初年度無料(基本カード会員・初めて申し込む人だけ・自動更新)
明細の取り出し明細書はPDF、ご利用履歴はCSV・Excel・QIF
適格請求書年会費・各種手数料の行は明細書が適格請求書(登録番号 T8700150009366)
メンバーシップ・リワードのポイントカード利用100円につき1ポイント(税金の支払いは200円につき1ポイント)

freeeの特典は2025年11月30日で終わりましたが、API連携は続いています。freeeには取り込んだ明細の勘定科目を推測する機能もあります。

入会キャンペーンでは最大170,000ポイント(条件あり)がもらえます。条件はカードの利用額です。

条件ポイント
入会後4か月以内に80万円利用40,000
入会後8か月以内に合計200万円利用50,000
入会後10か月以内に合計300万円利用50,000
300万円利用の通常ポイント30,000

10か月で合計300万円は月30万円ペースです。仕事の支払いをこのカードに集めたときの月の支払額と見比べてみましょう。

年会費をかけたくない人や開業したばかりの人の選び方

仕訳を減らすだけなら、事業用の口座から引き落とされるカードであれば年会費無料のカードでも同じ効果があります。自分の状況に合う記事から選んでみてください。

仕訳の手間を減らしたうえで出張や接待で使える特典もほしいなら、アメックスビジネスゴールドが合います。

アメックスビジネスゴールド

★ 入会キャンペーン 最大170,000ポイント

個人事業主のクレジットカード払いに関するよくある質問

個人のクレジットカードで払った経費も経費にできますか?

できます。利用日に経費の科目/事業主借と1回記帳します。三井住友カード・JCB・マネーフォワード・弥生・アメックスの解説ページは、どれもこの形で例を出しています。代金がプライベートの口座から引き落とされた日は事業のお金が動かないので記帳しません。

会計ソフトにカードを連携すれば仕訳は自動で終わりますか?

明細の取り込みは自動になりますが、科目と日付は自分で確かめます。アメックスビジネスゴールドは弥生・freee・マネーツリーに明細をAPI連携でき、freeeには勘定科目を推測する機能があります。取り込む日付を利用日にするか引き落とし日にするかは税理士と決めて設定しておきましょう。

ETCカードの利用分は何を保存すればよいですか?

カード会社の利用明細書と、ETC利用照会サービスからダウンロードした利用証明書をあわせて保存します。国税庁の適格請求書等保存方式に関するQ&A(問103)では、この2つをそろえれば仕入税額控除ができるとしています。アメックスもETCの利用分は明細書を適格請求書にできないとして、利用証明書の保存を案内しています。

開業前でも事業用のクレジットカードは作れますか?

申し込めるカードがあります。アメックスビジネスゴールドは開業前の個人事業主も申し込め、申込みのときに個人事業主か法人かを選びます。個人事業主の提出書類は本人確認書類(コピー)です。年会費は49,500円(税込)なので、年会費をかけたくない人は年会費無料のカードとも比べてみましょう。

カード払いの仕訳で税理士に聞いておくことは何ですか?

解説によって分かれる所と、自分の状況で答えが変わる所を聞いておきます。

  • 12月に使って1月に引き落とされる支払いをどちらの年の経費にするか
  • 消費税の課税事業者か免税事業者か・少額特例の対象か
  • 年会費などの家事按分の割合と根拠の残し方
  • 事業用のカードで私用の支払いをしたときに記帳する日
  • 会計ソフトで明細を取り込む日付(利用日か引き落とし日か)
  • 令和9年分以後の青色申告特別控除への切り替え

個人事業主のクレジットカード払いの勘定科目と仕訳のまとめ

個人事業主のクレジットカード払いは、経費の科目を買ったもので決めて相手の科目を口座で選ぶのが基本です。

場面押さえること
事業用の口座のカードで経費を払った利用日に経費の科目/未払金、引き落とし日に未払金/普通預金
プライベートの口座のカードで経費を払った利用日に経費の科目/事業主借の1回だけ
事業用のカードで私用の支払いをした科目は事業主貸。書く日は解説で分かれる
明細と領収書利用明細書はインボイスにならない。ウェブ明細はデータのまま保存

年をまたぐ支払いやポイントの処理のように解説で分かれる所は、自分で決めずに税理士に確かめておきましょう。

毎年の仕訳を減らす近道は、事業用の口座から引き落とされるカードを1枚決めて仕事の支払いをまとめることです。私用と仕事用の明細を1行ずつ仕分ける作業がなくなるのは本当に助かります。

まずは法人カードおすすめ7枚を比較【2026年】中小企業・個人事業主の選び方で、自分の支払い額と年会費に合う1枚を探してみてください。開業前でも申し込めて明細を会計ソフトに連携できるアメックスビジネスゴールドも、その候補の1枚です。

アメックスビジネスゴールド

★ 入会キャンペーン 最大170,000ポイント

目次